富士通株式会社
グループ会社も含め全社的にGitHub Enterprise1000ユーザーライセンス以上導入。 自社利用だけでなく、富士通のパブリッククラウドとしてお客様にも提供。
  • 業種 電気機器
  • 企業規模 10,000+

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クラウドサービス開発に向けて従来の手法を改め最新手法に挑戦

富士通株式会社(以下、富士通)は、最新のオープン技術とSE開発・運用ノウハウのナレッジを融合したパブリッククラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」(以下、K5)を2015年9月より提供開始した。SoR(定型/非定型の業務処理・記録)とSoE(人・モノ・コトへの積極的関与)に対応したIaaSおよびPaaS基盤を活用するための、インフラ、AI、IoT、業種・業務プラットフォーム、アプリケーション開発/実行基盤、開発支援などの機能群が豊富に用意されている。

中でも注目されているのが、2017年3月末に開発支援機能に用意された「K5 GitHub Enterpriseサービス」だ。グローバルスタンダードである開発プラットフォームGitHub.comと同様の機能がセキュアに利用できるGitHub Enterpriseを、ICT大手の富士通がマネージドサービスとして提供したことは業界でも驚きを持って伝えられた。富士通はGitHub Enterpriseの社内利用を積極的に推進しており、グループ企業内での活用範囲も拡大しつつある。

デジタルビジネスプラットフォーム事業部 ビジネスプラットフォームサービス(BPS)統括部 アシスタントマネージャーの末竹 浩氏は、K5のコンセプトについて次のように語る。「K5は外販するだけではなく、社内システムの多くをK5上に移行させ、各機能を自ら活用することで、運用ノウハウをナレッジとして蓄積し、お客様に還元することを徹底しています。その一環としてBPS統括部でも開発部隊を中心に統括部全体で導入し、GitHub Enterpriseを積極的に活用しています。」

K5のサービス開始決定とともにBPS統括部が組織化され、社内の複数の部署から技術者が集められたが、当時はソースコードリポジトリの標準化は行われず、開発ツールもSubversi on(SVN)などの複数のバージョン管理システムが並立。チーム間での技術・ノウハウの伝達が思うようにいかず、チーム別に同じような開発を繰り返す非効率さもあったという。GitHub Enterpriseは企業向けに高品質化された完成度を備えているため、信頼性やサポート力を重視する富士通としては最適だったと末竹氏は述懐する。 「クラウドサービスを開発するのなら、ソースをマージした後にリポジトリをレビューしてチェックするという昔ながらの方法を改め、分散型ブランチ開発やPull Requestなどの最新の開発手法を取り入れることでどれだけ効率化できるかに興味がありました。その意味でGitHub Enterprise 導入はまさに最適なソリューションであり、社内のモチベーションの向上にも役立つと考えました。」

富士通グループ全体で1000人以上が活用K5サービスとして外販も決定

2016 年7月に最初のライセンスを100ユーザーライセンス導入し、それを社内に試験的に展開しながら、GitHub Enterprise のインフラが安定してパフォーマンスを出せるか否かの観点で調査を実施した。その結果、今では富士通グループ全体で1000ユーザーライセンス以上も利用されている。GitHub Enterpriseは若い技術者にも好評だ。デジタルビジネスプラットフォーム事業部 BPS統括部 藤澤 彩也香氏は入社3年目だが、BPS統括部に異動するまでソースコードに触れたことはなかったという。「GitHub Enterpriseは複雑なツールというイメージはなく意外に分かりやすいなという印象でした。ネット上にもGitHub 初心者向けのTipsなどが日本語で豊富に公開されているので、自分でも調べられる扱いやすさが魅力ですね。」と藤澤氏は話す。

また、社内の厳しいセキュリティ基準をクリアしたGitHub Enterpriseは富士通のサービスとして提供されることが決定し、2017年3月末からK5 GitHub Enterpriseサービスが正式にスタートした。

デジタルビジネスプラットフォーム事業部 BPS統括部 プロフェッショナルエンジニアの高橋 直人氏は、「K5 GitHub Enterpriseサービスの企画にあたっては、お客様の大事なソフトウェア資産をお預かりするため、単にGitHub Enterpriseの機能が充実しているかだけではなく、安定的にエンハンスされ続けているか、サポート対応が迅速かつ丁寧であるかも検討しました。また、エコシステムとして周辺ツールと連携が容易であることもポイントでした。」と述べる。さらに、デジタルビジネスプラットフォーム事業部 BPS統括部 大野 浩学氏は「自社でGitHub Enterpriseを活用しているからこそ、それをサービスとして外部提供するにあたり自信を持ってお勧めできます。」と話す。 管理負担が8~9割程度削減し準備期間なしで運用開始が可能

GitHub Enterpriseの社内活用が進むことでさまざまな効果が表れている。第1は、ソースコード管理ツールの運用負担の軽減。GitHubの Issueによって簡易的にプロジェクトやソースコードの課題を管理することもできるため、複数のツールをまたぐ複雑な管理負荷が減り利便性が向上したという。 「例えば、仮にRedmine、Git、Jenkinsの組み合わせの構成と比較すると、GitHub Enterpriseによる運用作業はアカウント管理程度になり管理負担が8~9割程度削減できます。」と末竹氏はいう。 “第2の効果は、ソースコード管理基盤の安定運用。大野氏は、「1年ほどGitHub Enterpriseを運用していますが、バックアップやフェイルオーバー、アップグレードなどが容易に実施できる上、大きなトラブルもなく安定的に活用できており、信頼性の高さを実感します。」と話す。また、運用上の課題を解決するためGitHubのエンタープライズサポートを活用したところ、当日中に解決することができ、迅速な対応が非常に頼もしく感じられたと振り返る。 “ 第3の効果は、開発モチベーションが向上した点。GitHub Enterpriseはグローバルスタンダードの知名度があり、社内における公式開発プラットフォームとなったことで技術者のモチベーション改善にもつながっているという。

また、高橋氏は進捗確認をGitHub Issueで行う方式に変えたところ、全員参加型の進捗会になって一体感が生まれたという。「全員のタスクをチケット管理とし、誰が何をしているのかを一元的に可視化するとともに報告作業を簡略化したところ、全員が緊張感を持って議論に集中できるようになり、サブリーダーも報告書づくりから開放され、開発に注力できるようになりました。」と述べる。

富士通では今後も継続して富士通社内外の開発部門に向けて、GitHub Enterprise活用の推奨と啓蒙活動を行う予定だ。

最後に末竹氏は、「今やGitHub Enterpriseの中には富士通の知見が膨大に蓄積されています。それを若い開発者が多くを学べる場として活用してくれれば素晴らしいことだと思っています。」との見通しを語る。

※2018年6月よりサービス名を以下の通り変更いたしました。

(前)FUJITSU Cloud Service K5

(後)FUJITSU Cloud Service for OSS