疲労がたまる長時間のフライトを経て、ホテルに到着。モバイルアプリケーションを使えば、フロントの列に並ばずに部屋にすぐチェックインできるとわかり、ほっと一安心。スマートフォンでデジタルキーを生成し、部屋のドアを開ける。一眠りしようとベッドに潜り込み、枕元にある便利なコントロールパネルで照明を暗くした――。MGMリゾーツ・インターナショナルは、18年連続でFortune 500にランクインしている企業だ。テクノロジーを活用して、世界中の利用客をもてなし、息をのむようなすばらしい体験をもたらそうとしている。さらに、MGMの施設に滞在していなくても、こうした体験ができる。ラスベガスの通りを照らす、MGMグランドの巨大な看板を見たことがあるだろうか。デジタルベンチャーズチームが手掛けた仕事だ。このチームには世界各国から100人以上のエンジニアが所属しており、担当業務はウェブサイトやチャットボットからインタラクティブディスプレイやセルフサービスの売店まで、MGMのあらゆる施設において洗練された顧客向けのデジタル体験を構築することである。
デジタルベンチャーズチームでは、「人間中心の体験の核となるのは、製品を構築・利用する人間である」と理解している。エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるジェイ・スリーダラン氏は「コラボレーションとお客様へのフォーカスが、当社の基本原則です。つまり、お客様に喜んでいただけるよう、ビジネス全体でコラボレーションするということです」と話す。シームレスなデジタル体験を数多くの利用客・パートナー・通行人にもたらすため、ソフトウェア開発チームを拡大し、コラボレーションに適した開発ツールとしてGitHubを選択した。
「チームは非常に速いスピードで拡大しています」と同氏は説明する。同氏は、2018 年にMGMに入社する際に、才能と経験あふれるエンジニアリングチームを構築しようと決意していた。そこで、ラスベガスから米国、ヨーロッパまで、グローバルに人材を確保。2019 年には、新たに入社した社員とベンダーチームの研修を迅速に進めており、各国にちらばるエンジニアたちは膨大なソースコードを前にコラボレーションしながら開発している。
チームの拡大に伴い、コードを1つのプラットフォームに統一し、単一のDevOpsパイプラインを使用する必要があることが明確になった。チームに合わせて調整でき、完全かつ効率的で、柔軟なDevOpsライフサイクルを可能にするツールが必要だった。同氏は当初から、MGM の開発ライフサイクルを構築するためのツールとして、GitHub を想定しており、数多くのソースコード管理システムを評価したが、最終的にGitHub を選択。ツールの移行を実施するにあたり、周到にアプローチし、包括的なDevOpsプロセスを検討した。「デジタル分野に投資することで、将来に向けてMGMを前進させているのです」と同氏は説明する。「コードベースを1か所にすることが、最初に実施すべきことの1つです」
同氏は、エンジニアが既存のコードを見つけてアクセスする労力には「トランザクション・コスト」が発生すると考えている。デジタルベンチャーズチームは、すべてのプロジェクトを1か所に集めることで、このトランザクション・コストを大幅に削減することができた。同氏にとっても、GitHubを活用して既存のコード上での迅速な構築・拡張が簡単になり、即座に投資利益を得ることができた。管理費の削減も、MGMが注目していた点だ。自社のデータセンターではなくクラウドにコードをホスティングし、独自にカスタマイズしたアプリケーションではなくマネージド型のツールやインテグレーションに頼ることで、すでに大幅な作業時間の削減を実現している。
新しい開発者ツールを採用し、同氏はGitHub の成熟した幅広いインテグレーションエコシステムを高く評価している。「当社のビジネスはお客様のシナリオを実現することであり、CI/CD 製品を一から開発することではありません。業界のエキスパートが構築した製品を利用することで、機動的に、当社にとって意義のある開発にフォーカスできます」
MGM のエンジニアはGitHub に移行後、カスタムアプリケーションの構築・保守にリソースを割くことなく、業界最高のツールを統合することが可能となっている。同氏は次のように話す。「当社のDevOpsモデルでは、GitHubと効率的に連係するCircleCIのようなツールを活用でき、カスタムツールセットの構築に時間をかけずに済みます。また、コードを見つけやすく、既知のセキュアな場所に、コードを保管できます」
また、GitHub によって、コードスキャニングやアクセスコントロールといったセキュリティのベストプラクティスが可能となった。特に、チームの拡大に伴い、権限やID の管理が重要になっている。「ソースコードにアクセスしているユーザ、チェックインしているユーザ、DevOpsパイプラインを使用しているユーザを確認することができます」と同氏は語る。「当社のアイデンティティプロバイダはOktaですが、同社のあらゆるセキュリティ機能が、GitHubを含む当社の全システムにしっかりと統合されています」
今後に向けて、同氏はGitHubのことを、MGMがすでに着手している変革を最後までやり遂げるために役立つプラットフォームとして見ている。「目標は、誰もがコードを共有し、オープンソースモデルでコラボレーションを実現できる場として、GitHubを当社全体で採用することです」
同氏は、このビジョンを達成できているかどうかを、投資利益率(ROI)と製品革新によって測ることを計画している。同氏が目指しているのは、ホテルのロビーに人の列はなく、チェックインは自動化され、身分証の確認もシームレスに行われ、部屋の鍵がバーチャルになっている世界だ。そして、これらすべてを実現するのはソフトウェアである。「現在採用しているKPIはすべて、ソフトウェアを記述することから始まります」と同氏は説明する。「そして開発者は、GitHubで作業をしています」
こうした夢の実現に向けて、デジタルベンチャーズチームが拡大し続ける必要があるのは明らかだ。同氏は「GitHub固有の価値はエコシステムとコミュニティにある」と説明する。GitHubは世界最大の開発者コミュニティとして、同氏の採用戦略において今後も重要な役割を担うだろう。「GitHubのエコシステムには多くの可能性があります」と同氏は話す。「このエコシステムのおかげで、より多くの開発者に出会うことができ、『MGMはテクノロジーの分野で革新的な企業である』というメッセージを伝えることができました」
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