事例

株式会社ZOZO & GitHub

GitHub Business Cloud を 公式開発プラットフォームとして採用

株式会社ZOZO は、日本最大級のファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN」を運営するテクノロジー企業です。ZOZOTOWN やプライベートブランド(PB)「ZOZO」におけるファッションショッピングサイトや、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」などのファッションサービスの運用・開発業務を担っています。これまで感覚的に語られてきたファッション分野を科学的に解明し、ZOZOSUIT などに象徴される革新的なテクノロジーを実用化することで、世界中の人々がよりファッションを楽しむことができる世の中の実現をめざしています。 ZOZO が業務の核心となるソフトウェア開発プラットフォームに選んだのが、企業向利用に最適化された GitHub の SaaS 版である「GitHub Business Cloud」です。現在は、ZOZOTOWN や WEAR の開発に関わるエンジニア、デザイナー、アナリストが利用する公式の開発環境となっています。

その背景には、ソフトウェア開発の現場で世界的な支持を得ている GitHub への信頼と、オンプレミス管理を脱してクラウド化へ進めようとした強い思いがありました。

開発プラットフォームをクラウド移行することでエンジニアの生産性が向上

ZOZO フロントエンド部 佐藤 裕司氏は、開発環境の変遷について次のように説明します。「以前は GitLab のオンプレミス版を導入し、サーバーを管理・運用していました。しかし、エンジニアが兼務でサーバー管理していたため、維持管理や運用のコストが大きな負担になっていた上に、ビジネスの急拡大に伴ってサーバーへの物理的な負荷も逼迫し、ツールのパフォーマンスが低下することも頻発するようになっていました。この体制ではサーバーリソースを柔軟に増強することが難しいと感じ、オンプレミス運用からクラウド利用へ大きく舵を切る決心をしました」

そのような状況の中 ZOZO が選んだのは GitHub Business Cloud です。2017 年 11 月に ZOZO はギットハブ・ジャパンと正式に契約。最初はビジネスチームから GitHub の利用を開始し、2018 年 1 月末からは段階的に ZOZO フロントエンド部の開発チームと ZOZO バックエンド部の開発チームが GitHub Business Cloud に開発環境を移行しました。2018 年 5 月末現在で 100 数十人が利用するまでに拡大し、その勢いは現在も続いています。

「GitHub Business Cloud に移行したことによって、既存のオンプレミスサーバーの管理が不要になり、人的コストが大幅に削減。パフォーマンス問題も解決できました」という佐藤氏は、当初の目的は問題なく達成できたと語ります。サーバー運用業務を兼務で担っていた担当者には、週に何度も問い合わせやクレームが寄せられていたが、GitHub 導入後はその管理負担から開放され、本来のクリエイティブな開発業務に専念できるようになったのは大きな効果だと評価しています。

GitHub のオンプレミス版(GitHub Enterprise)をパブリッククラウド事業者のサービス上で運用することも検討しましたが、それでもバックアップなど管理が発生します。また、ソースコードをクラウド上で管理することに懸念を持つユーザー企業もいますが、自社でセキュリティ対策を万全にするためには人的リソースの投資が必要となり、今回は様々な観点から高いセキュリティレベルを誇る GitHub のサービスを全面的に信頼することとなりました。

開発プロセス改善の一環として CI/CD を含めた開発プラットフォームすべてをクラウド化

開発プラットフォームをオンプレミスからクラウドに置き換えるだけではなく、開発プロセスにおけるコミュニケーションや自動化の実現など、開発プロセスの改善も行いたいという思いがあったと強調するのは、ZOZO フロントエンド部 大平 哲也氏です。

「開発プラットフォームをクラウドに移行し、運用の手間を削減するとともに、CI/CD(継続的インテグレーション/デプロイ)を最適化するなど開発プロセスの改善も同時に進めました。GitHub はソースコード管理のデファクトスタンダードで世界中での活用事例も多く、さまざまなサードパーティアプリケーションや連携ツールも揃っています。そこで、GitHub を中心とした CI/CD の作業フローをすべてクラウドサービスで実装し、先進的な開発環境を構築しました」

大平氏はさまざまなサードパーティアプリケーションとの連携が可能になったことで、開発効率の向上も期待できるといいます。「現在、当社では、クラウドで CI を実行する Wercker、コードの静的解析ツールの SonarQube、Java ファイルをライブラリとして参照可能にする JitPack.io、プロジェクト管理ツールの JIRA などのアプリケーションを併用し、CI/CD の実現やテストの自動化、コード品質確認の自動化を実現しています。これらの開発環境を実現するために、企業向け GitHub の SaaS 版を選び、開発環境をクラウドに移行したともいえます」

将来的には、シングルサインオンの仕組みを導入して、現在は暫定的に分散しているリポジトリを GitHub Business Cloud に一本化していくことも視野に入れているといいます。

モチベーションアップツールとしての GitHub コラボレーション促進による品質向上

以前から個人的に GitHub.com を利用していた開発者も多く、会社が公式に GitHub の利用を認めたことで、開発者たちのモチベーションはますます高まることが期待されているといいます。

「オープンマインドで開発活動を行ってきたエンジニアにとって GitHub は理想の開発環境です。いかにコミュニケーションを円滑にしながら開発をコラボレーションするかをよく考えている点にリスペクトを感じる技術者も多く、使うのなら GitHub であるべきだという社内の雰囲気がありました」と大平氏は語ります。

今回のプロジェクトを振り返り、佐藤氏は、開発作業の自動化やコミュニケーションは、以前よりもとても良くなったという印象を持っていると語ります。「GitHub を象徴する Pull Request 機能の利用をきっかけに、レビュー活動が以前よりも活発になり、GitHub 上で生産的な議論ができるようになった結果、開発品質の向上や効率化につながっていることはとても好ましい変化だと思っています」

さらに、GitHub を導入することで社内の仕事の進め方などにも変化が起きています。これまでバージョン管理システムを必要としていなかった非エンジニア部門のデザイナーやアナリストなども GitHub を利用し始め、仕様書などのドキュメント管理における差分管理や、技術ブログ原稿の構成・レビューの自動化と公開を、GitHub 上で行い始めた部署もあるといいます。

加えて、今後注目されるのは GitHub が企業のイメージ戦略にもたらす可能性です。現在、ZOZO は優秀な技術者の募集を意欲的に進めています。エンジニア採用競争が激化しているなか、採用側がエンジニアファーストで考えているか、最先端の開発環境に正しく投資しているかなどが応募者のモチベーションを大きく左右します。ZOZO バックエンド部 孫 光勲氏は、「エンジニアにとってソフトウェア開発プラットフォームに何を使っているかは大きな関心事です。GitHub が公式ツールだと説明すると大変ポジティブに評価されることが多く、会社のイメージアップや採用活動にも大きく貢献してくれています」と話します。

そして大平氏は、GitHub を当社の公式開発プラットフォームにできたことに大変満足していると明言します。「今回、GitHub の培ってきたコラボレーションの文化やエコシステムなどをしっかりと社内に導入することができたことは大変有意義であり、その恩恵を日々感じています。ギットハブ・ジャパンには、今後もエンジニアが幸せになる改善を続けて欲しいですね」

世界70億人のファッションを変革するZOZOの挑戦は、GitHubに集う秀逸なエンジニア同士のコラボレーションによっていよいよ本格化します.

  • 業種

    リテール

  • 企業規模

    1,000+

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